よくある質問

MCT 全般

Q8. 長距離自然歩道とはなんですか? 

長距離自然歩道は、環境省が所管している制度で、地域資源等に恵まれた広範囲の歩道等を、標識等の整備によりネットワーク化した「歩くための道」のことです。国土を横断又は循環し、多くの人々が四季を通じて手軽に楽しくかつ安全に国土の優れた風景地等を歩くことにより、沿線の豊かな自然環境や自然景観、さらには歴史や文化に触れ、国土や風土を再認識し、併せて自然保護に対する意識を高めることを目的とし、1969年に施策発表されました。1970年には第一号として東海自然歩道の整備が始まり、その後1975年に九州自然歩道、1977年に中国自然歩道とこれまで10本の長距離自然歩道が整備されてきました(北海道自然歩道は整備続行中)。総延長は27,000kmを超えます。10番目に整備されたMCTは、総延長が1,000kmを超えますが、長距離自然歩道としては最短です。 

長距離自然歩道の着想はアメリカのアパラチアントレイルにありますが、日本で長距離自然歩道の構想が生まれたのは「高度成長期」「レジャーブーム」「開発と自然破壊」などが当時の時代背景にありました。構想を先導した当時のレンジャー・大井道夫氏は、「人間性の回復」をうたっていました。構想発表時には新聞各紙で大きく取り上げられ、「新幹線とハイウェーの走る東海道が日本の国土に活力をつぎ込む動脈ならば、テクテク歩く“新東海道五十三次”は日本人に健康と人間性の回復をもたらす静脈といえるだろう」(産経「サンケイ抄」1969年1月5日)、「この計画は、一見、文明への逆行のように見えるかもしれぬが、実は、人間のための最も文明的な計画である」、「歩く人間のための自然歩道ができれば、おのずから人間らしい豊かな心を育てることにもなる」(毎日「余禄」1969年1月13日)、「人間が人間らしく生きることを忘れないためにも、このような“聖域”を全国にもっと確保したい」(読売「編集手帳」1969年1月5日)、「高速道路や新幹線に頼りすぎ、歩くことを忘れては人間の生活がいびつになる」(朝日 1969年1月3日)など、大変大きな反響を得ました。

2020年に閣議決定された環境白書では、MCTや、長距離自然歩道50周年記念シンポジウム(2019年12月8日開催)について触れられ、50年の節目にあらためて長距離自然歩道を見直す動きが生まれています。 

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